《芸術と憲法を考える連続講座》 第3回

美術館と表現の自由 ー戦後・現代美術からの問い
クロストーク・学芸員

武居 利史「美術館における『表現の自由』-新海覚雄展の例にもふれて」

成相 肇「パロディと杓子定規」

 

2018215日(木)18:30-21:00

 会場 東京藝術大学 上野キャンパス音楽学部 5号館 1109教室

芸術と憲法を考える連続講座,美術館と表現の自由,共催 自由と平和のための東京藝術大学有志の会,

近年、各地の美術館で、作品が撤去されたり、公開に制限が加えられる等、展示に関する規制が度々問題となっています。政治的であるとの理由による自主規制も少なくなく、事実上の「検閲」ともいえるため、こうした傾向に美術関係者が抗議する等、憲法で保障された「表現の自由」を擁護しようとする動きも見られます。

 

しかし、複製技術の発展した現代、他の著作物を利用したパロディ等の自由な表現をめぐっては、他の表現者の権利と衝突するケースも少なくありません。表現活動そのものを委縮させるような政治的な動きも加速しており、鑑賞者の「知る権利」の行方が気になります。

 

 戦後美術史にも詳しい二人の美術館学芸員のレクチャーを通して、「表現の自由」の現在について考えます。

 

 

                                                 


武居 利史

1968年生まれ。府中市美術館学芸員・教育普及担当主査。公立美術館の開設準備に携わり、2000年の開館以来、現代美術の企画展、公開制作やワークショップなどの教育普及プログラムを手がける。主に社会運動と美術の関係を研究し、2016年には戦後の平和運動や労働運動で活躍した画家を発掘した展覧会「燃える東京・多摩―画家・新海覚雄の軌跡」が話題となる。1994年より「しんぶん赤旗」などに美術評論を執筆、2005年より『前衛』に「文化の話題・美術」連載。1993年東京藝術大学芸術学科卒。

成相 肇

1979年生まれ。府中市美術館学芸員を経て、2012年から東京ステーションギャラリー学芸員。戦後日本のアヴァンギャルドを研究対象の中心にしながら、文化横断的な展覧会を企画。主な企画展に「石子順造的世界―美術発・マンガ経由・キッチュ行」(府中市美術館、2011-2012年、第24回倫雅美術奨励賞)、「不幸なる芸術」(switchpoint、2011年)、「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン 「遠く」へ行きたい」(東京ステーションギャラリー、2014年)、「パロディ、二重の声」(同、2016-17年)など。



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